行政書士事務所を開業するとき多くのことに悩むと思います。
その中でも最も悩むのが開業のあいさつではないでしょうか。
できることなら開業のあいさつはしたくないと思っている人も多いはずです。
「恥ずかしいからこっそり開業したい」 「失敗もあり得るから・・・成功してから報告したい」などの理由もあると思います。
開業時、私も同じようなことを思っていました。
本当に食べて行けるのか不安もあり、失敗したときを考えてしまい、親近者や友人たちに伝えるのが恥ずかしいと思っていました。
しかし、開業のあいさつはしたほうがいいです。
なぜなら、仕事の受注に繋がるからです。
また、行政書士としての経験値アップや人脈ができる可能性も秘めているのです。
なので、結果的に開業したら必ずあいさつ回りはした方がいいでしょう。
今回は、私の体験談をふまえて開業のあいさつ回りについてお伝えします。
ネットの情報は真逆!、あいさつ回りをするか悩む?
冒頭であいさつ回りは必要と伝えましたが、それでもするか悩むと思います。
悩む理由は、ネットの情報では「あいさつ回りはするべき」
逆に「あいさつ回りはしない方がいい」などと書かれているからだと思います。
たとえば、最初の仕事は知人友人から貰える場合があるのであいさつ回りが必要になる。
反対に、迷惑になるからあいさつ回りは必要ない。
このような理由から私もあいさつ回りをするかしないか本当に悩みました。
結果的にあいさつ回りは必要
それでもあいさつ回りは、結果的にした方がいいです。
なぜなら、仕事を取らなければ飢え死にしてしまうからです。
飢え死と聞くとそんな大げさと思うかもしれませんが、これは嘘ではありません。
仕事をしなければ一銭もお金が入ってこないと思った方がいいでしょう。
開業するということは、今後誰からの保障も受けずに生活するためのお金を稼いでいけなければいけません。
あいさつ回りなんかしなくても、仕事が取れると思えば、する必要はありません。
しかし、お金を稼ぐツテがなければ、あいさつ回りは必要です。
このように、あいさつ回りは仕事を取るための手段と考えなければいけません。
開業してすぐに仕事がある人は少ないと思いますので、結果的にあいさつ回りはした方いいですね。
あいさつ回りをするときは、仕事に繋がる範囲を明確にする
あいさつ回りの必要性は分かったと思います。
しかし、やみくもにあいさつ回りをしても意味がないので、範囲を明確にするべきです。
その範囲は、仕事に繋がる範囲です。仕事に繋がりそうにないと思ったらやめましょう。
なぜなら、誰彼かまわず行えば「時間」「労力」「費用」が無駄になってしまうからです。
たとえば、行政書士の仕事は、書類を作成し役所に提出しますよね。
もしかしたら、役所の職員から業務が来ると思いあいさつ回りをしたとします。
しかし公務員から特定の専門家を紹介することはありません。
このように、仕事が来ない人にあいさつ回りをしても、無駄な労力になります。
なので、あいさつ回りは明確な範囲にしぼって行うようにした方がいいです。
あいさつ回りをする具体的な3つの範囲
具体的な範囲といわれても・・・仕事に繋がるか繋がらないかなんて分からないと思いますよね。
何度も開業をしたことがある人は少ないはずです。
ですので、3つの範囲をお伝えしておきます。
- 親せき及び友人
- 同業者
- 他士業の先生
この3つの範囲の人たちに、あいさつ回り行うことで、仕事をスムーズに回せるばかりか、運が良ければ仕事が入ってくる可能性だってあります。
例えば、これから行政書士で開業する人は実務未経験の人も多いはずです。実務を円滑に進めるために、アドバイスが貰えると安心して仕事が進められるようになりますよね。
なので、指定した範囲だけでもあいさつ回りをしておけば、食べていけない資格といわれている行政書士でも成功できるようになるのではないでしょうか。
経験値を上げてくれる親せき及び友人
親せき及び友人たちにあいさつ回りは重要です。
しにくいと思った人もいると思います。
しかし、この人たちは、開業仕立てで実力がないあなたにも仕事をくれる大切なお客さんです。
その理由は、すでにあなたを知っており、身近で頼みやすいからです。
あなたも経験したことがあるはずです。それは何か頼むとき、知っている人へ頼むことです。
まったく知らない人へ頼むより、経験が浅くても知っている人に頼んだほうが安心して頼めると思うはずです。
顔も知っていて話したこともあり、どんな性格でどんな顔つきなのか。これだけであなたに対する信頼度はグッと上がると思いますよね。
また、開業当初は経験が少ないこともあり、実務をスムーズに進めるのが大変です。
なので、実務を進めるのにも顔見知りのお客さんのがいいです。
このように、行政書士としての経験値を上げることに繋がり、収入にも繋がりやすいので親せきや友人たちに開業のあいさつをすることは大切です。
実務のアドバイスを貰うための同業者
次に同業者です。いわゆる先輩行政書士たちです。
開業当初、アドバイスが貰える先生がいたら助かります。同業者にあいさつしておくことで、業界のことや仕事の取り方や実務の進め方など多くのアドバイスをもらうことができます。
私の経験ですが、初めて農地転用の業務を請け負った時にあいさつ回りした先生から的確なアドバイスをいただき無事に仕事を完了することができました。
このように、あいさつ回りをして同業者と連携を深めておくと困ったときに助かります。
追記・・・開業してから4年が経ち、あいさつ回りした同業者の先輩先生から少しずつ仕事の依頼が来るようになりました。それは、先生たちの年齢が高齢化に伴い、引き継いでほしいと言われたためです。
このように、地道に頑張っていれば、いずれ紹介もあります(^^)/
同じ地域に住む同業者でOK
開業してみると自分の住んでいる地域だけでも多くの行政書士がいることが分かると思います。
そして、あいさつ回りをどの地域までするか迷ってしまいますよね。
あいさつ回りの範囲は、同じ市に住んでいる同業者だけでいいと思います。(多い場合は、近隣程度)
実際に私も同じ市に住んでいる同業者だけにしました。
広範囲だと、時間と労力が掛かってしまうので避けるようにしましょう。
登録時に会員名簿が貰えるので、そこからピックアップすれば問題ないでしょう。
ただし、中には忙しい先生もいるので、事前にアポを取ってから行くようにしたほうがいいですよ。
支部を統括する支部長へあいさつ
行政書士になると、○○支部に属することになります。
私なら茨城県西支部に属している行政書士になります。その支部ごとに支部長がいるので、あいさつ回りをしておきましょうです。
私と同時期の先生がおり、その先生も同じように支部長にあいさつをしに行ったみたいです。
初めての業務のとき支部長に実務の相談をしたら、手取り足取り業務のアドバイスをいただき、無事に完了することができたと言っていました。
すべての支部長に当てはまるとは言いませんが、新人が支部長にあいさつをしに行けば、優しく接してもらえこちらから質問にもアドバイスを頂けると思います。
なので、開業したら支部長にもあいさつ回りに行きましょう。
仕事をスムーズに進めるための他士業の先生
他士業の先生にあいさつ回りすることで、仕事をスムーズに進められるようになります。
その理由は、行政書士の業務は、行政書士だけで完了する仕事が少ないからです。
例えば、相続業務の場合、不動産の名義変更手続き(相続登記)が高い確率で発生します。不動産の名義変更手続きは司法書士の独占業務になり、行政書士はできません。なので、司法書士と連携して業務を進めることになります。
また、離婚業務なら弁護士が関わってくる場合があります。相談者が相手(配偶者)との話し合いで済まなければ紛争になり、行政書士は関われなくなるので弁護士が必要です。
このように、行政書士は他の士業と連携し業務を完了することが多いので、スムーズに進めるためにも他士業と関係を密にしておくことが重要になります。
おまけ:他士業から仕事が来る
他の士業も同じように、一士業だけで仕事が完了できることは少ないです。なぜなら、独占業務外の仕事はできないからです。
例えば、行政書士なら許認可業務が独占業務なり、司法書士なら登記が独占業務、税理士なら税務申告が独占業務です。
このように独占業務以外の相談がお客様から来たら、他士業と連携して業務を進めていくことになります。
なので、他の士業とネットワークを作っておけば、仕事が来ることもあります。
あいさつ回りの方法を解説
それでは、あいさつ回りの方法です。あいさつ回りの方法は、いろいろとあります。私の体験談も踏まえてご紹介します。
「開業しました」を伝えることが開業あいさつ
まずは、挨拶状をどんな形式の物で作るのかです。
大半の人はハガキか封筒のどちらかが多いでしょう。しかし、開業あいさつの方法は形式にとらわれる必要はありません。なぜなら、挨拶状は、相手側に「開業しました」というお知らせができればいいのです。
例えば、私宛に届いた同業者さんはハガキ形式の挨拶状を送ってきました。以下のようなものです。
このように、ハガキで送ってくる新人先生もいます。読んだ私は「開業したんだ」ということが分ります。
イシマサの開業時のあいさつ回り
それでは、私が行った開業時のあいさつ方法をお伝えします。私が取ったやり方は、相手に合わせた方法であいさつ回りをしました。
その理由は、あいさつ回りをする人たちによって関係性も住んでいる地域も違うからです。
例えば、遠距離に住んでいる友人には、LINEやメールなどのネット関係で済ませ、同業者他の士業の先生は、訪問で済ませました。
自分からみて、相手側がどのような関係性でいるのかによって、あいさつ回りの方法を選ぶようにするといいですよ。
開業前から親せきや友人たちへあいさつ回り
まずは親せきや友人にしました。なぜ親近者たちにしたかというと、開業する前から伝えることができるからです。
「行政書士の資格を取ったから、近々開業することになります。・・・」とLINEや電話などで報告をしました。
開業前にあいさつをすることで、仕事を頼んでくれることもありますのでできるだけ早くに報告したほうがいいでしょう。
私の場合は、すぐには仕事が来ませんでしたが、親せきの口コミが広まって遠い親せきから相続手続きが来ました。
開業後は同業者及び他士業へ訪問あいさつ
開業したら、同業者と他士業の先生に同時進行であいさつ回りをしました。私はハガキなどの郵送はせずにできる限り訪問してあいさつを行いました。
その理由は、顔を覚えてもらうことと情報を仕入れるためです。
例えば、あいさつに行ったときに、再度連絡しても問題なくアドバイスもらえそうかなどを判断します。
このように、「相手がどのような人なのか」「自分と性格が合いそうか」などを見極めるためできる限り訪問してあいさつをするようにしました。
まとめ
あいさつ回りをして結果的に良かったと思います。
なぜなら、実務の情報も手入れることができ、他士業の先生との連携も取れるようになり、仕事の受注にも繋がったからです。
結果的に、行政書士として活動できるだけの人脈や経験が身に付けられるようになりました。なので、あいさつ回りすることによって損することはありませんので、実行したほうがいいです。
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