実務未経験の行政書士さん必見!「公正証書遺言の実務」を徹底解説!

行政書士の日常
  • これから開業し遺言業務を専門したい人
  • 遺言書業務を経験していない先生

遺言業務は、行政書士の主要業務の1です。

開業したら、高い確率で業務の相談があると思います。

私も、行政書士の初仕事が公正証書遺言の作成業務でした。

その時は、何もわからないまま専門書籍を読み漁り、公証人のサポートでどうに完了させることができたのです。

初業務は本当に大変です。ましてや、開業して初の仕事ならなおさらですよね。

初業務の不安を少しでも無くすため、今回は「公正証書遺言作成の実務」について解説していきます。

それでは、さっそく行きましょう(^^)/

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遺言書の相談が来たら、公正証書遺言を進めましょう

遺言書の相談が来たら、お客さんに公正証書遺言を進めましょう。

公正証書遺言は、自筆証書遺言より正確性と確実性が高いからです。

自筆証書遺言を進めて、万が一不備が発覚した場合、専門家としての責任問題になってしまうのも避けなければいけません。

公正証書遺言は、法律に精通した公証人が代理作成するので、その点は安心できるのです。

なので、お客さんから遺言書の相談が来たら公正証書遺言を進めてあげましょう。

公正証書遺言で必要な書類を紹介

公正証書作成に必要となる作成・収集書類を挙げます。

まず初めに「作成する書類」です。

  • 遺言書案の作成

次に「収集する書類」です。

  • 遺言者の戸籍類
  • 推定相続人の戸籍類
  • 遺言者の印鑑証明書
  • 推定相続人の身分証明書の写し
  • 証人になる人の身分証明書の写し

最後に「遺言内容によって必要になる書類」です。

  • 不動産の登記事項証明書
  • 不動産の固定資産評価証明
  • 受贈者の住民票
  • 預金の残高など

以上が公正証書遺言を作るときに必要となる書類関係です。ただし、上記に挙げた以外でも、財産の目録書などを作成したり、公証人からの追加書類があるので必要書類が増えることがあります

公正証書遺言の作成方法の流れを解説

  • 1.公正証書遺言の説明
  • 2.見積書を提示
  • 3.業務委任契約を結ぶ、及び遺言内容を聞き取る
  • 4.必要書類を集める
  • 5.遺言書案を作成してお客さんと打ち合わせ
  • 6.公証人と打ち合わせ
  • 7.公証人とお客さんと作成日の決定
  • 8.お客さんと公証人と一緒に公正証書遺言の作成
  • 9.最後にお客さんに請求書を渡す完了

オーソドックスな流れになります。ただし、状況に応じて順番が前後する場合があります。

自分がやりやすいように臨機応変に対応していくといいでしょう。

1.公正証書遺言の説明をしましょう

まずは、お客さんに「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」の違いを説明し、公正証書遺言を進めてあげてください。

なぜなら、お客さんは遺言書に種類があることを分かっていない人がたくさんいるからです。

なので、遺言書の種類から説明し、自筆証書遺言と公正証書遺言の違いを詳しく教えてあげましょう。

2.見積書の提示をしましょう

次にお客さんに正確な見積もりを提示します。

ただし、公証人の作成費用は分からないので、専門家の作業に対しての報酬額を提示することになります。

<span class="bold">イシマサ</span>
イシマサ

公証人の作成費用は、多く見積もって50,000円ぐらいとお客さんに伝えています。また、この時に証人の費用の説明も忘れずしておきましょう。

3.業務委任契約を結びましょう

お客さんがお見積りに納得してもらえたら、業務委託契約書を結んで着手金を頂きましょう。

着手金を頂くことは、お客さんの都合で途中解約にあった時の対処です。動いた分の作業量の報酬を貰えない問題を回避する為です。

行政書士の仕事は、ボランティアではありません。なので、必ず、専門家として動いた分だけの報酬は頂くようにしましょう。

遺言書の内容などの情報を聞き取りましょう

業務委託契約書と同時に遺言の内容や作成するための情報を聞き取りましょう。

遺言書の内容を早い段階でお客さんに聞くことによって、時間を掛けて遺言書案の作成が可能になるからです。また、付言事項の説明もし内容も聞き取ることです。

<span class="bold">イシマサ</span>
イシマサ

専門家として付言内容の書き方はセンスが問われるので腕の見せ所にになります。

4.必要書類を集めましょう

ここからは、市役所などの役所を回って書類を集めていきましょう。

中には、郵送で取得しなければいけない書類もあるので、時間が掛かりそうな物は早い内に請求を掛けることをおすすめします。

それでは、以下に書類と取得する場所を挙げておきます。

書類取得場所
遺言者の戸籍各市役所
推定相続人の戸籍各市役所
遺言者の印鑑証明書遺言者本人
推定相続人の身分証明書の写し推定相続人本人
不動産の登記簿謄本法務局
固定資産の評価証明書市役所
証人の身分証明書の写し証人本人
  • 遺言者の戸籍は、「生まれてから現在」の物を集めましょう
  • 推定相続人の戸籍は、「現在」の物を集めましょう
  • 遺言者の印鑑証明書は、代理取得ができないので本人取得してもらいましょう※印鑑カードあれば可

5.遺言書案を作成し打ち合わせしましょう

書類集めと同時に遺言書案の作成も進めましょう。

遺言書の内容は、法的効力に気をつけて書くようにするべきです。

例えば、遺言者○○○○は、相続人○○○○に下記の不動産を相続させる。

実際に作成するのは公証人ですが、法律を扱う専門家として適した内容の案文を作成しましょう。

遺言書案ができたら、お客さんに提示して細かい修正があれば直して完了です。

証人の有無を再度説明し決めましょう

再度、お客さんに証人の説明しお客さん自身で用意してもらうのか専門家を通して用意するのか確認しましょう。

なぜなら、証人費用は専門家側が用意する場合、1万円程度の費用がかかってしまいます。

逆にお客さん側で用意してもらえるなら、費用が掛からないので作成費用が安くなるのです。

6.公証人と打ち合わせしましょう

最寄りの公証役場に連絡し、集めた書類と遺言書案を持って打ち合わせに行きましょう。

打ち合わせ時に、公証人から遺言書内容について質問やアドバイスがあると思うので、焦らず受け答えすれば問題ありません。このときに追加書類もあれば、伝えられます。

不備なければ、1回の打ち合わせで済むでしょう。

7.お客さんと作成日を決めましょう

公証人との打ち合わせが済みましたら、後日、作成費用の見積もりの連絡があります。

見積書の連絡があったら、さっそくお客さんに連絡し作成日を決めましょう。

専門家が仲介に入り、都合が良い日を決めるのがいいですね。

この時、公証人と証人も連絡が必要になりスケジュールを決めるのが難しいので注意しましょう。

お客さんと遺言書内容が言えるよう読み合わせをしておきましょう

公正証書遺言は、お客さん本人の言葉で公証人に内容を伝えるようにしなければいけません。

民法で決まっています。

第969条

公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

一 証人二人以上の立会いがあること。

遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。

引用元:wikibooks

いざ、緊張して遺言者が内容を伝えられなかったら、公証人が作成を中断させてしまう場合あり得ます。

そうなってしまったら、当日集まったお客さんや証人に再度集まってもらわなければいけなくなってしまいます。

そうならないように、作成日前に遺言者と内容の読み合わせをしておくのがいいでしょう。

当日の準備する物をしっかり伝えましょう

作成日に持っていく物(準備する物)がありますので、お客さんと証人に伝えましょう。

忘れてしまったら、当日作成ができない場合もあります。

例えば、お客さんの実印や証人の認印などです。

私の経験ですが、お客さんが実印と認印を間違って持ってきてしまい、遺言者の住民票があったので、それを代用しどうにか認印で作成可能になったことがあります。

毎回、イレギュラーに対応してもらえるとは限らないので、準備は忘れないようにしましょう。

8.公証人と一緒に公正証書遺言を作成しましょう

お客さんに作成当日は、15分前ぐらいに作成場所(公証役場)に集まってもらうにしましょう。

公証役場で作成ならば、事務員の方の案内に従えば問題ありません。

公正証書遺言の作成は、1時間程度で済みます。

証人は署名押印があります

証人は、お客さんと公証人のやり取りを確認し、遺言書の内容に間違いないか見届けます。

そしても、問題がなければ署名押印をすることになります。

イシマサ
イシマサ

署名押印をするとき、字がきれいだと専門家としてカッコイイと思います。

作成費用を払って無事に完了しましょう

無事に、遺言書作成できたら、公証役場に作成費用を現金で支払って完了です。

この時に、遺言書の正本、謄本の計3部貰えます。

お客さんに、遺言書の保管をどうするか確認しましょう。

返答に関わらず、最低でも1部は預かるようにするべきです。なぜなら、その後、何らかの理由で再度相談されたときに必要になるからです。

また、遺言執行人になっていた場合、遺言を執行する義務が生じます。

9.最後にお客さんに請求書を渡し完了しましょう

無事に、公正証書遺言が作成し保管方法も決まったら、お客さんに請求書を渡して完了です。

請求書は、当日渡してもいいですし後日郵送で送っても問題ありません。

当日に渡すなら、領収書も一緒に持参することをお勧めします。お客さんには、現金支払いする人も多いからです。

おまけ:アフターフォローをしましょう

業務が完了したら、アフターフォローもしっかり行いましょう。

例えば、当事務所は、3か月~半年に1度お客さんに連絡し、健康面などの近況報告を聞くようにしています。

遺言書を作ったお客さんは、相続人から高い確率で相続時にご連絡をいただけるからです。

なので、作ったら終わりでなく作った後もお客さんに関わるようにしていきましょう。

まとめ

公正証書遺言作成の実務の説明はいかがでしたでしょうか。

今回、説明したやり方は私が実際に行っている作業を元に書きました。

なので、このやり方が絶対ではありませんので参考程度にしてもらえればと思います。

そして、数回業務を経験したら、自分なりに効率がいい方法を取り入れば大丈夫です。

これから遺言業務の専門を目指す人は頑張ってくださいね(^^)/

以下で、私が遺言業務で使っている書籍を挙げておきます。