行政書士が「遺贈と贈与の違い」を徹底解説!自分の意志で財産を与えることは同じ!それでも、違った点もある

開業・実務関連

こんにちは。イシマサ.comです。

仕事をしていると、たまにある相談なのですが、息子の孫へ財産を渡したいという内容です。

その時に、遺贈と贈与という方法があることをお客さんにお伝えしています。

遺贈と贈与は、どっちの方法でも自分の意志で他人に財産を渡すことができる行為です。

例えば、孫へ財産を渡す内容はもちろん、内縁の奥さんに財産を渡しておきたいなど。

財産を渡したいという想いがあれば、遺贈や贈与で行うことが可能なのです。

では、遺贈と贈与の結果は同じなのに、なぜ2つの方法があるのでしょうか。

今回、この遺贈と贈与の違いについて解説したブログ記事を書いていきます。

これから行政書士として開業を考えている方は実務の知識として、参考にするといいですよ。

それでは、今回もいってみましょう。

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遺贈と贈与の違いとは

遺贈と贈与は、自分の意志で他人に財産を渡す方法とお伝えしました。

遺贈と贈与は、財産を渡すことは一緒でも全て同じというわけではなく違いもあります。

それは、生前に財産を渡すか死後に渡すか。さらに、財産を受け取る側の意志を要するかなどの違いがあります。

例えば、遺贈の場合、遺言書で自己の一方的な意思で財産を渡すことが可能です。逆に、贈与の場合、契約で贈与者(自己)と受贈者との合意で財産を渡すことが可能になります。

また、贈与の場合、契約行為になるので一方的な破棄ができなくなるなどの拘束力も発生します。

更に遺贈と贈与について個別に説明してきます。

一方的な意志で財産を与えるのが遺贈

まずは、遺贈からですね。

遺贈は、遺言書で自分の死後一方的に財産を与える行為です。

遺贈される側を受遺者といいます。

遺贈を行うことで、財産を指定して引き継がせることが可能になり相続対策になるのです。

なぜなら、お孫さんのような相続人ではない人へも財産を渡すことが可能だからです。

例えば、長男が不慮の事故で意思能力がなくなってしまい、長男夫妻と長男孫の住む場所を確保させるため、孫へ家を継がせたいなど

これは一例ですが、こんなことも遺贈なら可能です。

遺贈は贈与にあたりますが、贈与税の対象ではなく相続税の対象になるので注意です。

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開業当初は、勘違いをしていました

そんな遺贈は、「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があります。

では、以下で詳しく解説します。

まとめて財産を与える包括遺贈とは

最初は包括遺贈です。

包括(ほうかつ)とは、1つにまとめるやひっくるめてなどの意味があります。

そうなると、包括遺贈は、1つにまとめた財産を受遺者に分け与える行為となります。ただし、包括遺贈の場合、財産種類を特定しないだけで渡す「相手の指定」や「財産の割合」は決めることが可能です。

例えば、「孫○○へ、財産の4分の1を遺贈する」

このように、財産の種類は指定せず渡す相手の指定と割合を決めることができます。

また、包括遺贈された受遺者は「相続人と同じ権利義務」が発生します。

そうなった場合、財産がマイナスでも負担義務及び遺産分割協議の参加権利が与えられます。

いざ財産を調べたら負の財産しかなかった…なんてことになったら財産を貰いたいと思わないですよね。

その場合、遺贈の放棄をすることも可能です。

遺贈の放棄は、遺贈があったことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所で手続きすることができるので覚えておきましょう。

「誰に」「何を」「どれだけ」財産を指定する特定遺贈とは

それでは、もう一方の特定遺贈です。

特定遺贈は、包括遺贈とは逆で財産の種類を指定して受遺者に与える方法です。

例えば、「A土地を、孫○○へ遺贈する。現金200万円を、甥っ子◇◇へ遺贈する。」

このように、財産の種類、相手も指定して財産を与えるのが特定遺贈。

特定遺贈の受遺者は、貰える財産が決まっているので、遺贈者の他の財産を引き継ぐ権利がありません。なので、遺産分割協議の権利もありません。

特定遺贈の放棄も、相続人など(権利義務者)に放棄の意思表示を行うことでいつでも放棄できます。

契約を交わす贈与とは

遺贈が分かったら、次に贈与について解説します。

贈与は、当事者同士の合意のもと贈与者が財産を無償で他人に与える行為です。

ちなみに財産を受ける側を受贈者といいます。

例えば、「贈与者:100万円をあげるよ。」「受贈者:分かりました。ありがたく頂戴します。」

これが贈与です。

遺贈は、遺言者の一方的な意思(遺言)で財産を与えることでした。

逆に、贈与で財産を与える場合、双方の意志が必要になるのです。

ですので、後々、言った言わないなどのもめ事を起こさないため、贈与の場合、契約を交わし書面に残すことが通例です。

そんな贈与には、「生前贈与や死因贈与」などの言葉を聞いたことがある人も多いはずです。

それでは、以下で詳しく紹介します。

相続対策の1つ。生前贈与とは

はじめに生前贈与からです。

生前贈与は、言葉の通り贈与者が生存している間に受贈者に財産を与えることです。

この生前贈与は、相続対策の1つとして使われていることも多いです。

よくある一例で

生前に次の世代(息子や孫)へ財産を移して、相続税の対策

例えば、贈与税が掛からない110万円を目途に毎年贈与し財産を減らしていく。

この対策方法は、基礎控除を利用した暦年贈与といいます。

イシマサの経験では、孫が家を建てたいから、土地を生前贈与したなどもありました。

このように生前のうちから相続対策する人もいるので、生前贈与も知っておくといいでしょう。

遺贈と似ている死因贈与とは。それでも利用度は低い

もう1つの死因贈与は、贈与者が死亡を原因として受贈者に財産を贈与する行為です。

例えば、「私が死んだら、○○へ甲不動産を贈与する」という内容を約束し、契約を結ぶことです。

死因贈与も、当事者同士で契約を結ぶことになります。その後、気が変わったから贈与を辞めたいと思っても一方的な解除はできないので注意。

ただし、イシマサが開業してから死因贈与の方法を利用したことはありません。亡くなってから財産を渡したいというお客さんには、遺言書を進めてしまっているからです。

なので、知識だけは知っておくようにしましょう。

遺贈と贈与の違う点を表で紹介

どちらも財産を与える点では共通しています。遺言は単独行為や15歳から行えるなど、贈与とは違った点もあります。

それでは、遺贈と贈与を比べたモノを以下の表でまとめました。

遺贈贈与
法的意思行為遺言者の単独行為贈与者と受贈者との合意契約
年齢制限15歳から20歳から
利用方法遺言書契約書(口頭可)で結ぶ
放棄包括遺贈:3か月以内
特定遺贈:いつでも
生前贈与:当事者間の合意のもと解除
死因贈与:受贈物の権利を放棄
税金相続税生前贈与:贈与税
死因贈与:相続税

以上が遺贈と贈与と比べた物です。

税金箇所の贈与では、「生前贈与時は贈与税」になり「死因贈与なら相続税」になるので注意が必要。

なぜ死因贈与が相続税なのか。

それは、贈与者の死亡が原因で法的効力が発生するから、遺贈と同じ性質を兼ね備えているから相続税になるのです。

このように、違った点もあるので、確認しておきましょう。

満足できる提案アドバイスができるようにしておこう

以上が、遺贈と贈与の違いでした

遺贈と贈与は、ともにご自身の財産を与えるものです。遺贈なら遺言書。ただし、財産を贈与する場合は「生前に行うか」「死後に行うか」で違ってきます。

死因贈与は、遺贈と共通している部分が多くあり、何も知らない人からすれば「同じでは?」と思ってしまうぐらいです。

ですが、専門家としてしっかり違いを説明できるようにしておきたいところです。

お客さんが求める最善の解決策を提示してあげられるのが、専門家としての務めですよね。

ですので、遺言書業務を行いたいと思ったら、このような知識もしっかりと入れておくことが大切です。

とまぁこんなことを言っているイシマサもまだまだ未熟なので、頑張って勉強経験をしていかなければいけません。

これを読んでいる人と一緒に成長していければいいですね!(^^)!

以上で、遺贈と贈与についての説明は終わりになります。

またお会いしましょう~

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