行政書士受験生「価値あり」会社法は、民法の後に学ぶべき。会社法の全体像

その他(法令含)の勉強法

会社法を苦手とする人は多いのではないでしょうか。かく言う私も会社法が大の苦手でした。

取締役会設置会社、会計監査人設置会社、会計参与設置会社もうわけがわからない状態。

暗記が苦手な私は、こんな似たような言葉でイメージも湧きにくく覚えるが苦手です。

それでも、本試験で会社法は5問出題され2問は正解したいところ。一発試験なのに、勉強せずに運任せで2問取るなど甘い考えをすることができず、いやいや会社法を勉強していたのを覚えています。

そんな同じ境遇の受験生もいると思い、今回、少しでも分かりやすいように会社法の全体像を解説します。

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会社法は特別法だから、一般法の民法に優先する

会社法を勉強する順番は民法を勉強してから、会勉強を進めるのがいいでしょう。

なぜかというと会社法は特別法になり、民法は一般法になるからです。

一般法とは、法の対象範囲が広く適用されることです。たとえば、他人に損害を与えたら、民法上の不法行為責任の規定により損害賠償責任を負わなければいけません。会社が他人に損害を与えた場合、会社法には不法行為責任の規定がないので、一般法が適用され民法上の不法行為責任により損害賠償責任を負います。このように、法の適用できる範囲を広くしているのです。

逆に特別法では、法の対象範囲が狭くより特定されて適用することです。たとえば、取締役会の設置などは、会社法のみでしか規定されておらず、一般法の民法では規定されていません。この場合、特別法は一般法に優先することになり、会社法で規定されていることが適用されます。

基本的に、特別法を優先しますが、特別法で規定されていない範囲は、一般法を適用するということですね。

さきに一般法を学習しておくことは、法律を学ぶ上での基礎知識になり、その後特別法の学習で理解をグッと深めてくれますので、民法を勉強してから会社法を勉強することをお勧めします。

会社形態は、株式会社と持分会社の2種類。会社法を図で紹介

それでは、さっそく会社法の全体像を説明していきます。

会社法は、営利社団法人の株式会社と持分会社について定めています。

持分会社とは、「合資会社」「合名会社」「合同会社」の3つ形態になります。

受験生には、持分会社は馴染みがない会社組織になるのではないでしょうか。逆に株式会社はよく聞くと思います。会社法は、基本的には株式会社について重点的に書かれています。

持分会社の「合同会社」はアメリカのLLC(Limited Liability Company)に似ている部分もあり、近年、設立費用も安く設立する人も増えてきました。ですが、まだまだ日本の企業は、株式会社が中心でありこれかも株式会社が増えていくでしょう。

なので、現在の会社法でも株式会社が中心に定めているのですね。

会社も権利の主体になれる

株式会社も持分会社も設立したら、会社を中心とした権利の主体になれます。権利の主体になれば、会社自体に人と同じ権利義務が生じるということです。

例えば、ディズニーランドに入園するとき、チケットを購入して入園しますよね。スタッフさんにお金を払っているわけではなく運営している会社オリエンタルランドに払っているのです。

オリエンタルランド自身が主体となってお客様と契約し、そしてお客様にサービスを提供しています。

会社にも債権債務が生じる

会社が権利の主体になり権利義務が生じると言いました。相手方との取引でも債権債務が発生することになります。

例えば、先ほどのディズニーランドの例でいいますとお客様との関係でオリエンタルランド側は、入場したいならお金を払らってくださいという債権が発生します。

そして、払ってくれたお客様に対してサービス(入園させ楽しませる)という債務を提供しなければいけなくなります。

会社法で定める社員の各種責任範囲とは

会社法は、社員(所有者)の責任を定めています。そして、その社員の責任範囲は「有限責任」「無限責任」の2種類に分かれます。

なお、社員は会社の債権者に対して直接負う「直接責任」と出資を通じて負う「間接責任」があります。

直接責任は、持分会社の場合が多く、間接責任は株式会社になります。

有限責任

有限責任とは、会社の債務に対して出資している分だけ責任を負うということ。

例えば、私が会社に100万円の出資(間接責任)をしており、何らかの問題で会社が1,000万円の債務を負って倒産した場合、出資した100万円だけ負担(有限責任)すればよく残りの債務を負担する必要はありません。

無限責任

無限責任とは、会社の債務に対して無限に責任を負わなければならないということ。かなり厳しい責任になっています。

例えば、何らかの問題で会社が1,000万円の債務を負って倒産した場合に、会社の社員(直接責任)だったものは、債権者に対して全額の1,000万円を返済(無限責任)する義務が生じます。

株式会社の仕組みを説明

それでは、株式会社の仕組みを説明します。

多くの人から出資を受け、経営者が会社を運営して行くことを株式会社といいます。

株式会社は、会社に出資した人を社員(株主)と呼び、会社を動かす人を業務執行者(経営者)また取締役と呼びます。

株式会社の仕組み

株式会社の仕組みは、社員が出資をし、業務執行者が債権者と取引し利益が出れば、会社が社員に利益を配当金として渡す仕組みになっています

経営も社員が行うのか?所有と経営の分離を説明

株式会社の所有者は、誰になるでしょうか。基本的に出資をした人(株主)が会社の所有者です。そして、所有者を社員と呼びます。

この社員全員が経営に携わることが望ましいかと言われればそうとも限りません・・・社員の中には、配当金を目当てで出資する者もいます。この出資者を株式投資家やトレーダーと呼んだりしますね。

このように、すべての社員が経営に携わるのかといえば、そうではありません。

そこで、会社側は年1回、株主総会を開催して会社の根幹となる重要な目的を社員と一緒に決定します。

それ以外の経営に関することは経営の業務執行者に任せて、社員は経営に関わりません。

このように、社員は出資し会社の所有者になりますが、経営には参加しないのです。

これを所有と経営の分離といいます。

株式会社の社員は、どこまでが責任範囲

株式会社は、有限責任を取っています。

有限責任の社員は債権者に対して直接、責任を負わず、出資した分だけの責任しか負わないと前項で説明しました。

会社に100万円の出資(間接責任)しており、何らかの問題で会社が1,000万円の債務を負って倒産した場合、出資した100万円だけ負担(有限責任)すればよく残りの債務を負担する必要はありませんでしたね。

しかし、日本の中小企業は経営者自身が出資し、株式会社を設立していることが大半です。経営者は、株主と業務執行者の両方を兼ねているのが現状です。

ですので、何らかの問題が発生し大きな負債が生じた場合、経営者自身がすべて負担しなければいけないので、無限責任と何ら変わらない状態になります。

株式会社とは違う3つの持分会社とは

つぎに、株式会社以外の持分会社を見ていきたいと思います。持分会社は、「合名会社」「合資会社」「合同会社」の3種類があります。

合名会社

合名会社は、家族経営などの小規模なスタイルの会社組織になります。会社の社員全員が、すべての責任を負う直接無限責任です。

合名会社

合資会社

合資会社は、有限責任の社員と無限責任の社員がいる2種類のスタイルの会社組織になります。

有限責任社員も無限責任社員も直接責任です。

直接有限責任とは、債権者に対して会社の出資している分だけ直接責任を負うということです。株式会社の間接有限責任との違い分かりにくいですよね。

会社に負債が発生した場合、株式会社なら債権者に対して株式会社が責任を負います。

しかし、直接有限責任の場合、債権者に対して会社が責任を負うのではなく、出資した分だけ社員が責任を負うということです。

合資会社

合同会社

合同会社は、株式会社と同じ間接有限責任のスタイルの会社組織になります。少人数のベンチャー企業などの会社形態に向いているのが合同会社になります。

合同会社

合同会社は株式会社と大きな違いは株式を発行しないことです。

株式発行しないということは、出資をしてもらう株主(社員)がいません。

なので、合同会社を設立する人が出資し、所有と経営の両方を担うことになります。

さきに民法を勉強しておくことが大切

ここまで、会社法の全体像について簡単に説明しました。

今回、株式会社の組織関係例えば取締役会設置会社などについて触れませんでした。

本試験で会社法は、5問しか出題されません。なのに、会社法の範囲はとてつもなく広く、しっかりと勉強したら会社法だけで終わってしまうぐらいです。

しかし、行政書士の試験では、憲法や民法、行政法など会社法より重要な科目があり、そっちに勉強時間をかける必要があります。

そのような理由から、深く突っ込んだ解説はしませんでした。

なので、会社法は5問中2問を取れればOKという気持ちで勉強しましょう。

会社法を勉強する前の下準備として、さきに民法を勉強しておくことが大切です。

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