この記事にたどり着いた人は、行政書士での開業に不安があり、現在の仕事は辞めず副業からスタートを考えている人もいるのではないでしょうか。この考え方は、いいことだと私は思っています。とにかく、開業時の稼ぎはゼロに近いからです。
理想は、行政書士以外の仕事をしながら行政書士一本で食べていけるぐらいの仕事量が増えたときに専業行政書士になるのがベストです。
まずは、メインの行政書士を活動し、生活費を稼ぐためにアルバイトするなど。
今回は、これから開業を考えている人に行政書士と副業について書いていきます。
サラリーマンと行政書士はそもそも兼業ありなのか
できれば、サラリーマンを続けて行政書士が軌道に乗ってきたら、徐々にシフトチェンジしたいと考えている。
そもそもサラリーマンをしながら行政書士として開業できるのか。他のサイトでは行政書士と兼業することは禁止って書いてあったのを見たことあるけど。
本当のところどうなんだろうと思う人もいるはずです。試験に合格しこれから開業しようと考えているならなおさらですよね。
サラリーマンとの兼業は問題ない
先に結果をいってしまうと、行政書士とサラリーマンは兼業しても問題ありません。
行政書士で開業すれば個人事業主です。正当な稼ぎ方をしていれば、行政書士をお心遣い稼ぎとして稼いでもなんら問題ありません。そもそも行政書士法で「他の仕事をしてはいけない」こんなことは書いてもいません。
サラリーマンメイン!行政書士サブでは稼げない
結果として行政書士は兼業しても問題ないことが分かったと思います。ただ、行政書士を副業として多くの売上を考えているなら絶対に無理です。
行政書士の仕事は、電話からのご相談が9割を占めています。これは当事務所の傾向です。他の事務所はメールがメインの事務所もあるかもしれません。どちらにしろ、相談があった場合すぐに対応する必要があります。
例えば、お客さんが困って相談にきた場合、すぐに対応できなければどうでしょうか。相談者は悩みを解決するために他の事務所に相談しようと考えるはずです。このように、日中はいつ連絡が来てもいいように、対応できる状態にしておくことが必要です。
このような状態にしておかなければ、お客さんは逃げてしまい売上を上げるのは厳しいと思った方がいいでしょう。
休日営業は業務分野が限定される
では、休日だけ行政書士として活動しようと考えるかもしれません。うまくやれば、休日だけでもできるかも知れません。しかし、お客さんは待ってくれませんよ。
月曜に相談してくれたお客さんに対して、木曜が休みだからその日まで待ってくださいと言えますか。そんなことを言ってしまえば、お客さんからの信用はなくなるのが落ちです。他にも、役所は平日しかやっていないなどの問題もあります。
サラリーマンを続け行政書士を副業として行うには、内容証明や遺言書の文案作成などかなり限定した業務になっていくかと思います。
結果、限定された分野しかできない行政書士は稼ぐのは厳しいと思った方がいいでしょう。
サラリーマンのまま、行政書士との兼業が見つかった場合のリスクは
勤め先に開業していることが見つかった場合のリスクはどうでしょうか。これは、勤め先の就業規則によります。
副業してもOKと書いてあれば問題ありませんが、副業が禁止と書いてあった場合は見つかったら、なんらかの罰があると思ったほういいです。基本的に、日本の企業は副業禁止の文言が載っています。
なぜ日本の企業は副業禁止なのかという、簡単にいうと情報流出や企業イメージが悪くなるなどの問題があるからです。実際、職業の自由があるので副業をしても問題ないところではありますが、まぁ多くの企業は副業禁止だと思ってください。
私の体験談を話します。以前、勤め先の話です。子どもが生まれて妻が働けなくなったことにより、生活費を稼ぐためにフットサルのアルバイト(副業)をしていました。
ちょっとした理由からその副業が見つかってしまい、勤め先から3日間の出勤停止を命じられたことがあります。その時は、理由が理由だったのでそのぐらいで済みましたが、もし行政書士で開業だったならそうはいかなかったと思います。
兼業が分かってしまえば、行政書士を辞めるか、勤め先を辞めるかのどっちかを迫られるでしょう。サラリーマンを続けて開業するならこんなリスクがあることも分かっておくべきです。
理想は、専業行政書士を目指し最初は副業行政書士からスタートするのが良い
副業行政書士ではあまり稼げないことも、サラリーマンを続けながら行政書士を副業にするリスクも分かったと思います。
やはり、開業するなら専業行政書士を目指すべきです。
しかし、行政書士を始めた当初は仕事がたくさん来ることはありません。早くて3か月、長ければ半年は仕事がないと思った方がいいです。
なので、仕事がこないならサラリーマンを続けながら行政書士を軌道に乗せるための準備をしていくのがいいでしょう。
準備開業してやることはいくらでもあります。
たとえば、
など開業したらやらなければいけないことはたくさんあります。
行政書士の業務をこなすことだけがやることではありませんので。
開業当初は、小さく初めてどんどん大きくなったらサラリーマンを辞めて専業行政書士に移行していくのがベストです。
行政書士を開業して副業することのメリットとデメリット
開業して、行政書士以外の副業(サラリーマン含)をすることのメリットとデメリットを書きます。
行政書士の開業後、副業を行うメリット
まずは、メリットからです。
生活の圧迫されるおそれがない
行政書士は、開業して3か月もしくは半年は仕事がないことは当たり前です。その間は、お金は出ていくことはあっても、入ってくることはありません。
貯めた貯金は生活費などでどんどん減っていきます。他の収入源がなければ、貯金を切り崩して生活しなければなりませんよね。お金が無くなっていくことは、焦りなど心が圧迫され想像以上に心身ともに疲れてきます。
もし、サラリーマンや他のビジネスで副収入があればそれだけ生活にゆとりが出て、お金の心配がなくなります。
廃業のおそれがない
行政書士の在庫は脳です。他のビジネスように多額の借金して在庫を抱え込むこともありません。行政書士の売り上げは、経費を差し引いても売上の9割以上がそのまま利益になります。
個人事務所なら生活費だけでも稼げば廃業することはまずないでしょう。
貯金が減らない
副業の収入にもよりますが、貯金が一気に減ることはないでしょう。
実際、一番お金が掛かるのは開業時です。登録費30万円その他の備品10~20万円の計50万円ぐらい掛かると思ったほうがいいです。
しかし、それ以外はインク用紙代やその他ネット代、会費ぐらいしか掛からず高くても月々1~2万円ぐらいしかかかりません。これは自宅開業でというお話です。
それに1件の業務を行えば報酬で10万円ぐらいはいきますので、あとは副業で生活費などを賄えば貯金が減っていくのは少なくなりますよね。
余裕を持って行政書士に慣れることができる
大半の人が開業した場合、実務経験や事務所経営をしたことはないと思います。ちょっとしたことでも、開業当初は悩み不安になるでしょう。
実際に私がそうでした。仕事を取るための営業活動、相談対応など実務のスキルを身に付けなければいけません。+事務所経営も考えなければいけず、勉強していく必要があります。
副業していれば廃業をすることはなくなるので、ゆっくりと自分のペースで行政書士というビジネスに慣れていけるメリットがあります。
副業のデメリット
それでは次に副業のデメリットです。
中々、軌道に乗らない
副業していると行政書士として軌道の乗り具合に影響が出るでしょう。
副業している場合、明らかに行政書士としての活動量が少なくなり専業になるまで多くの時間が必要になってきます。
行政書士に掛ける時間が少なくなる
誰でも1日24時間しかありませんよね。副業の時間が多ければ多いほど、行政書士の使える時間は減ってきます。
時間が減るということは、事務所を軌道に乗せるのも遅くなるということです。
メンタルがやられる
アルバイトやサラリーマンと行政書士の二足のワラジになると、相当メンタルが疲れてきます。
先々の不安、こんなはずではなかった、行政書士1本で食っていきたいなど…毎日、頭の中をぐるぐる巡ってきますので、気持ち的にも落ち込んだりし心が疲弊してしまいます。
肉体的につらい
成功するには、副業以外の時間を行政書士の時間に当てないといけませんよね。
サラリーマンと兼業なら時間は足らなくなることが分かると思います。サラリーマンは8時間が基本労働時間です。その後行政書士の仕事をしなければいけません。
そうなると、睡眠を減らして時間を作るか、その他の時間で賄うかのどちらかになります。そうなった場合、体を休める時間が減ってしまうので心身ともに疲れてしまいます。
副業を推奨するイシマサ
デメリットを読んでみると、副業はあまりいいことではないと思いますよね。それでも、行政書士で食べて行くには副業は欠かせないと私は思っています。
開業してすぐに仕事は入ってこないのが現実です。偶然にも入ってきたとしてもその案件が終わってしまえば、新たに仕事を探しにいかなければいけません。
税理士のような顧問契約が取りにくいのが、行政書士の特徴です。1件終われば、また1件とスポットの仕事がほとんどです。開業当初、行政書士の収入だけでは安定した生活が送れないのが普通です。
なので、生活をしていくために、何らかの副業は必要になってきます。
世の行政書士は何かしらの副業をしている
まだ開業していない人は分からないと思いますが、多くの行政書士は、何かしらの副業を行っているのですよ。
例えば、私が知っている中だけでも
こんなに副業している行政書士がたくさんいます。なので、専業にこだわる必要はありません。
副業をうまくやることで、行政書士として成功できる
副業を上手に使うことで、成功できます。行政書士だけがお金を稼ぐ手段ではないということです。行政書士もビジネスの1つと考えてしまえば、他のことで稼いでも問題ありません。
むしろ、副業はリスク分散ができて好都合です。行政書士1本で生活を支えていくには危険です。
例えば、行政書士1本で生活をしていた場合、外から見たら凄いことかもしれません。
何らかの理由で行政書士で働けなくなったらどうでしょうか。結果、収入が不安定になってしまい、最悪生活が困難になってしまうかもしれませんよね。
そうならないため、副業して他の収入源を作っておくことが大切です。
また、他の収入源があることによって、心身ともに余裕が生まれるので行政書士を長く続けていけるコツにもなります。
下記も副業ついて触れた記事になっています。良かったら参考にしてください。
イシマサは、ブログ運営が副業
筆者は現在はアルバイトを副業にしていますが、今後ネットビジネスを副業に考えています。ネットビジネスで稼げるようになれば、行政書士の仕事にも大いに役に立つと思っています。このブログも、副業の1つです。※現在は、行政書士とネットビジネス(ブログ)のみ。
まとめ
ここまで読んで、行政書士に副業は欠かせないことが分かりました。ただ、行政書士の開業年数で副業のやり方も変えていく必要があります。
開業当初は、仕事が安定しないのでサラリーマンでもアルバイトでもして生活費を稼ぎながら軌道に乗せていくことが重要です。
ある程度、行政書士の仕事が入るようになったら、副業を減らし行政書士に専念するのがいいでしょう。
行政書士の仕事や経営にも慣れたら、さらに生活を安定させるために他の副収入源を考えるようにすることが理想的です。
これを読んで副業をすることの意味が理解できたら嬉しいです。
行政書士で開業することは本当に人生が変わりますよ。もちろん、辛いこともたくさんあります。それでも良いことはもっとたくさんあります。家族の後押しがあるなら一念発起で開業してみてはいかがでしょうか。
明るい未来は自分の手でつかみ取るべきです。
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