「行政書士実務」相続手続き:『相続関係の確認と役所関係の手続き』編

開業・実務関連

こんにちは。イシマサ.comです。

今回は相続手続きの実務面についてブログを書いていこうと思います。

相続手続きと聞くと「不動産の名義変更」や「銀行解約」、「相続税」などの手続きに目がいきがちですが、それ以外にも進める上で大切な手続きなどがあります。

例えば、相続人の確認や年金手続きなど

お客さんは、相続手続きにどんな手続きが必要でどうやって進めていいか分かっていないことが多いです。

その時、専門家としてアドバイスをする必要があります。その専門家としてのアドバイスが行政書士の分野のみだったらどうでしょう…

「不動産の名義変更は『司法書士』になり、よく分かりませんのでそちらに相談してください」

さすがに極端な例えでしたが、私が言いたいことはお客さんから相談された内容(相続)の手続きくらいは説明できるように知識を付けておいた方がいいということです。

今回は、相続手続きでも見逃してしまいがちなマイナー分野「相続関係の確認」と「役所関係の手続きなど」について紹介します。

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相続関係の確認

まずはじめに伝えておきます。この記事で書く内容は面談時のことになりますのでよろしくお願いします。

面談を開始しましたら、最初に「相続関係の確認」をしましょう。

聞く項目は以下に列挙しておきます。

【相続関係の確認】
  • 被相続人の「名前の確認」「年齢」「死亡日」「出生地から死亡までの住所地(本籍地)」「現住所」「遺言書の有無」
  • 推定相続人の人数
  • 配偶者の有無※亡くなって場合、相続手続きの可否
  • 相続人の「名前の確認」「年齢」「本籍地」「現住所」

上記の情報は、その後の手続きを説明する際に役立ちます。

例えば、被相続人が生前、転勤族で住所を移動されることが多い場合、本籍地も移動されている可能性が高いことが分かります。

このような情報が事前に分かっていれば、お客さんに相続手続きの大変さをアピールすることもできますので、必ず聞くようにしましょう。

役所関係の手続き

次に役所手続き関係になります。相続登記や相続税などは除いて4つあります。

【役所関係の手続きなど】
  • 保険証関係
  • 年金関係
  • 準確定申告
  • 公共料金などその他

上記の手続きに関して、基本的にお客さん自身で行ってもらうように私は勧めています。
※無理な場合、こちらで受任して他の専門家に回すこともあります。

保健証関係

保険証は「国民健康保険」と「健康保険証」に分かれます。

国民健康保険

私みたいな自営業の方は、国民健康保険に加入しています。その場合。住所地の市区町村役場に資格喪失届を提出が必要です。

健康保険証

健康保険証を持っていた場合、住所地の市区町村役場または勤務先の会社に返却することになります。

年金関係

次に年金関係です。

年金は被相続人の年齢また状況よって行う手続きが少し変わってきます。ですので、年金の種類や受給要件など概要をお伝えできるくらいでいいでしょう。

年金受給していた場合

満65歳を超えて年金受給していた場合、受給停止手続きが必要です。

その場合、「管轄の年金事務所」か「街角年金相談センター」や「共済年金組合」「市役所の年金課」などに、連絡して行います。

【手続き期間】

〇厚生年金→10日以内
〇国民年金→14日以内
※共済年金は、速やかに組合に連絡また組合から手続き書類が届く

【必要書類】
  • 年金受給者死亡届
  • 被相続人の年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 死亡診断書
  • 住民票(被相続人、申請人)
  • 受給者の所得証明(遺族年金の受給の場合)

遺族基礎年金

各年金に加入している被保険者が亡くなった場合、下記条件で残された家族は年金がもらえます。

被保険者が国民年金に加入していた場合、遺族基礎年金の申請ができます。

【遺族基礎年金の要件】
  1. 被保険者が生活を維持し、家計を支えていた
  2. 子どもが結婚していない
  3. 子どもが18歳到年度の末日(3月31日)を経過していない
  4. 20歳未満で障害年金を受給していて、等級が1級か2級である
【遺族基礎年金の必要書類】
  • 年金請求書
  • 年金手帳
  • 世帯全員の住民票
  • 被相続人の住民票除票
  • 請求者の収入が確認できる書類
  • 子の収入が確認できる書類
  • 死亡診断書
  • 受取先の通帳
  • 印鑑

権利は5年を経過した場合、時効によって消滅するので注意が必要です。

被保険者が、勤め人など厚生年金に加入していた場合、遺族厚生年金も申請できます。

【遺族厚生年金の要件】
  1. 厚生年金の被保険者が死亡、または初診日がある病気やけがが原因で、初診日から5年以内に死亡
  2. 障害の程度が1級・2級の障害厚生年金を受けている人が死亡
  3. 老齢厚生年金の受給権者または老齢厚生年金を受けるために必要な加入期間の条件を満たしている人が死亡
  4. 国民年金の納付済期間(保険料の免除期間を含む)が、厚生年金加入期間の3分の2以上ある
    ※死亡日が令和8年4月1日前であり、死亡日に65歳未満かつ死亡日の属する月の前々月(要は死亡月の2ヶ月前)までの1年間の保険料を納付しなければならない期間のうちに保険料の滞納がないこと
遺族厚生年金の必要書類】
  • 年金請求書
  • 年金手帳
  • 世帯全員の住民票
  • 被相続人の住民票除票
  • 請求者の収入が確認できる書類
  • 子の収入が確認できる書類
  • 死亡診断書
  • 受取先の通帳
  • 印鑑

権利は5年を経過した場合、時効によって消滅するので注意が必要です。

未支給年金

次は未支給年金の手続きです。

未支給年金とは、受給者が亡くなった時に受け取るはずだった年金などがある場合、生計を同じくしている遺族が受け取ることができます。

【必要書類】
  • 亡くなった方の年金手帳
  • 請求者の預金通帳
  • 戸籍謄本
  • 住民票(世帯全員・本籍地・続柄記載)
  • 亡くなった方の住民票の除票

権利は5年を経過した場合、時効によって消滅するので注意が必要です。

準確定申告

次に準確定申告です。

準確定申告とは、被相続人が生前における所得についての確定申告です。

例えば、5月31日に亡くなった場合、1月1日~5月31日までの期間に対しての所得を確定申告しなければなりません。準確定申告の申告期限は4ヶ月と短いの注意が必要です。

【準確定申告が必要な人】
  1. 2,000万円以上の給与所得がある場合
  2. 給与所得、退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合
  3. 2ヵ所以上から給与をもらっていた場合
  4. 公的年金等による収入が400万円を超えた場合
  5. 公的年金等による収入が400万円以下であっても、公的年金等による雑所得以外の所得金額が20万円を超えた場合
  6. 生命保険などの満期金などを受け取っていた場合
  7. 土地や建物などを売却した場合
  8. 事業所得や不動産所得がある場合
【必要書類】
  • 確定申告書
  • 被相続人の源泉徴収票
  • 被相続人の控除証明書(生命保険料控除や地震保険料控除など)
  • 所得税及び復興特別所得税の確定申告付表(相続人の署名捺印)
  • 被相続人の医療費の領収書
  • 他の相続人の委任状(代表者が還付金を一括で受け取る場合)

公共料金などその他

最後は、公共料金などその他手続きです。

公共料金

電気水道ガスなどの解約、名義変更を行っていない場合、名義人が亡くなったら速やか各会社に連絡して手続きをする必要があります。

葬祭費・埋葬料

その他手続きとして、「葬祭費、埋葬料」の還付金申請があります。

葬祭費、埋葬料は、亡くなった際に遺族に支払われる給付金(3~5万円)です。

申請できる時から2年で権利は時効消滅します。申請は場所は市役所です。

【葬祭費・埋葬料に必要な書類】
  • 亡くなった方の保険者証
  • 印鑑
  • 葬儀の領収証など
  • 受取人の通帳
  • 手続きする人の身分証明書

まとめ

相続手続きの「相続関係の確認」と「役所手続きなど」について紹介しました。

面談が開始したら最初の段階で今回紹介した内容を伝えてから、相続手続きのメイン相続登記や銀行解約、相続税について説明していくといいでしょう。

このマイナーな分野もしっかり説明することで「この専門家なら安心して頼める」と思ってもらえます。

また今回ここで紹介した内容は、お客さんの状況によって変わってきます。

例えば、同じ相続手続きでも「亡くなってから数年経っている場合」と「亡くなってすぐの場合」

でアドバイスする内容も変わります。

後者なら今回お伝えした「役所手続き関係」は事細かに説明する必要があります。逆に前者なら「年金手続きや公共料金関係」は完了している可能性が高くなりますので、簡単な説明で十分でしょう。

このように、相談者によってケースバイケースになるので基礎知識はしっかりと見つけて対応するようにしましょう。

今回はこれで以上です。またお会いしましょう~

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